ノミネーション英文・書き方のヒント

候補者の業績を記入する部分に何を書くかについては、フェローノミネーションフォームを記入する際の手引き à6.候補者の業績
にガイドラインが示されているので、ご参照願います。

[2006年10月12日掲載]

ここでは、その書き方、留意すべきことなど、基本的な文章作法を挙げます。
英文に限らず、読む人の共感を得て説得を可能にする文章の基本は変わりません。
以下のようなことに気をつけるだけでも、充分説得力のある文章になると思います。
ご参考になれば幸いです。

 

1.書く内容を絞りましょう。

      候補者の業績を記入する部分は、

750ワード

      のスペースしかありません。
      限られたスペースのなかにあれもこれも、書き連ねるのは、かえってそれぞれの業績に対する審査員の印象・ 評価を薄めてしまう可能性があります。

J まず、事前に書くべきことを箇条書きに書き出してみましょう。

      リストが出来たら、そのうちで本当に書かなければならないもの・重要なもの、フェローに任ずべき業績を抜き出します。 できれば一つに絞ったほうがいいでしょう。書くべき事項が決まったら、一つの文章にまとめるもの、別の文章にすべきもの、 落とすものを分けます。
        次に、それぞれの文章を、同じパラグラフにくくるべきもの、別パラグラフにすべきものに分け、パラグラフ相互間を際立たせる 工夫をします。どのパラグラフで何を言い、どのような論旨・順序で候補者の業績を審査員に説明し、認めて貰うかを考えてください。

何をしたか、だけでなく、その結果どのような成果が得られたか、を記載しましょう。

J審査員は、候補者がそれまでのもの・技術・システムと較べてどれだけ新しいものを生み出したか、それが世の中にどれだけのインパクト を与えたかを見ます。

          何をしたかはもちろん重要ですが、それが世の中にもたらした効果、利便性を、具体的に示すことを書くことが高い評価に結びつきます。何をしたかに関する Evidence は別に書き込む欄がありますが(手引きの

技術上の業績の説明

          を参照)、 その結果世の中がどのように恩恵をこうむったかについて、データを書く欄はありません。

 

            候補者が果たした社会への貢献については、ここに充分に書き込む必要があります。

 

2.くだくだしい前段は不要です。

J候補者はどのような人物か、その領域ではそれまで何が問題だったかについては、 簡単に触れる程度にとどめましょう。

      候補者に関するデータを紹介する欄は別にあります。この部分をくどくどと書くと、ただでさえ限られた貴重な文字数・スペースを浪費することになります。 候補者の紹介はできれば省いてでも、最初から業績の記述に入ること。
        候補者を引用する際は、最初はフルネーム(タイトルつき)で、2回目からは、He(または She)で書くと、語数の節約になります。

 

3.要点を明確に、具体的にしましょう。

Jノミネーションフォームは論文ではないので、序論や論拠の説明は不要です。

      日本語から英語にするときに、主語をぼかすため多用される受け身形の表現は、主張の曖昧さ・自信のなさと受け取られる恐れがあります。 避けたほうがよいでしょう。
      同様に、否定形を多く使うことも審査員の印象に好ましくない影響を与える恐れがあるので、常に肯定形の表現を心がけましょう。 “(事実・事象)が~された”というかわりに、“(候補者)が~した”と書くようにしましょう。
      説得力は具体的な技術や組織の名前を出すことで生まれます。
          具体的な名前を出すことをためらわないこと。

 

4.文章は短くしましょう。

J事実関係を正確に説明するため、ともすると接続詞、関係代名詞を多く使いがちです。
これらは極力抑えて、読みやすい文章になるよう心がけてください。

      長い文章は読みづらく、読み手(審査員)にいい印象を与えません。
          わざわざ関係代名詞でつなぐくらいなら、二つの別な文章であらわすことを考えましょう。

 

5.内容的に別なことは別の文章にしましょう。

J一つの文章は一つのテーマを述べることに専念しましょう。

二つの異なった事象を一つの文章のなかで表現するのは、読み手(審査員)の印象を分散させてしまいかねません。

 

6.業績と業績の説明の対応を分かりやすくしましょう。

第6項で挙げる業績と第7項で挙げるEvidence(業績の証拠)が分かりやすく対応していると評価が有利になるようです。
第7項のそれぞれに通し番号を振って第6項の文中の該当箇所にそれらの番号を埋め込む、などの工夫をしましょう。

 

7.略語の使用は慎重に。

通常誰でも知っているものは別として、関係者の間では常識となっているが世の中にはあまり知られていない組織名、 技術名などの略語は、初めて出てくる際にフルネームを書き出して( )内に略語を書き、2回目からは略語のみとすると印象が よくなります。
すべて頭文字で出来ている略語でない場合、略語に使われる文字を大文字で表わして読み手に分かりやすくするなどの工夫も必要でしょう。

 

8.用語の選択に最大の注意を払いましょう。

J自身の勝手な評価を読み手に押し付けるような形容詞、 評価を下げてしまいかねない表現は使わないこと。

例:自分で評価してしまっている単語

novel ~
excellent ~
forward-looking ~
outstanding ~
・・・

      業績や候補者に関する価値判断は審査員が下すものです。
      自分のバリュージャッジメントを表わす(=読み手に押し付ける)ような単語は使わないほうがよいでしょう。

J確信を持って肯定形で言い切ること。あいまいな表現は評価を下げかねません。

例:弱い表現・自信がないと判断されかねない表現

I believe ・・
I consider ・・
I assume ・・
It is said ・・
Sort of ・・
・・・

9.書かれたことが事実であることの客観的な実証を

      “世界初”や“それまでなかった”と書くときは、それが事実であることを立証できる必要があります。
      軽々・安易にこのような言葉を使うことのないよう、気をつけましょう。

以上