IEEE 日本支部

より確実なフェロー昇格を実現するために

 

[2022年2月1日更新]

IEEE東京支部 Fellow Nominations Committee(以下、FNC)は、これまで多くの支部メンバーがフェローに昇格してこられた実例をもとに、より確実なフェロー昇格を実現できるノミネーションの条件をさぐりました。当FNCは、それらの条件をいわば最大公約数的にまとめて、ノミネータになられる方、ノミネーションの取りまとめに当たられる方々のヒントとして、ご参考に供します。

  • フェロー候補の資格要件・Nominator/Referenceの資格要件

    ノミネーションの準備に入る前に、必ず、候補者がフェロー昇格の条件を満たしていること(あるいは、ノミネーション提出までに条件を満たすことが確実なこと)を確認してください。
    色々準備をしたあとで、候補者がSM(シニアメンバー)になっていなかったことが分かった、あるいは、過去数年にわたって会費を払っていなかったことが分かって慌てるという例が散見されました。資格必要条件は、「IEEEフェロー候補者ノミネーションのお願い」 のページでご確認下さい。
    (候補者の資格確認のお問い合わせ先も記載されております。)また、ReferenceはIEEEフェローであること、会費の滞納がないことに加え、当年度中にIEEE本部や各ソサエティの決められた役職に就いていないことという資格条項に抵触していないことを、確認してください。

  • 業績の内容

    提出されたノミネーションの評価にあたっては、候補者の業績がそれまでのものと較べてどれだけ新しいものを生み出したか、それがどれだけのインパクトを与えたかを見ることになっています。候補者の業績がこの条件を満たしているかどうか、逆にこの視点から候補者の業績を絞り込んで強調するように書き出してください。

  • Referenceの選定

    候補者が業績を挙げたジャンルにおける権威・先駆者(Reference)の意見は評価・審査の結果に影響しますので、Referenceの選定には十分な注意を払ってください。最大5名までのReferenceを選ぶことが出来ますが、できれば半数以上は外国、特に世界の技術面をリードしている米国から選ぶことをお勧めします。Referenceを日本人だけで固めたノミネーションは、その分野では日本だけが突出しているケース以外では、選考委員の共感を得にくいとされています。また、当該の業績が特定の組織の中だけで行われ、組織外の人間には評価が難しいというような特殊な場合を除いて、同じ組織に属する複数のReferenceを挙げることは避けたほうがよいでしょう。

  • Endorserの選定

    Endorsementは最大3通まで許されます。
    評価委員はEndorsementが提出されているか否かはチェックし、その内容にも最大限目を通します。 できるだけEndorsementも揃えられることをお勧めします。

ノミネーションの(英語)表現

あまりに美辞麗句で飾った表現はかえって逆効果となります。 誰もが納得できる誠実な表現を心がけて下さい。
やみくもに、あれをやった・これをやったと羅列するのでなく、それらがもたらした効果を書き込むことに努めて下さい。本部のフェロー選考委員は多くのノミネーションに目を通すので、分かりにくい英語表現や初歩的・文法的な誤りがあると、評価以前で印象を悪くしてしまい、他のノミネーションとの比較でハンディをつけられてしまいます。単純なスペルミスや文法的なミスを見たときには(内容的に他と同じレベルであっても)その候補者に対する評価が割り引かれてしまうこともありえます。ノミネーションフォームのうち、文章で記述しなければならない部分は以下の2項目です。
この部分の記述は、選考・評価の中心となる部分で、特に注意して文章を練る必要があります。

7.First Individual Contribution 7.a – 7.d 合計1,000ワード以内
8.Second Individual Contribution 8.a – 8.d 合計1,000ワード以内

以上合計Max.2,000ワード
詳細は、 「ノミネーション英文・書き方のヒント」のページをご覧下さい。

  • 業績のカテゴリー

    業績のタイプを表すカテゴリーには
    1.Research Engineer/Scientist、
    2.Technical Leader、
    3.Educator、
    4.Application Engineer
    がありますが、
    ☆大学あるいは研究機関(企業研究所を含む)に所属している人は
    1.Research Engineer/Scientist
    ☆産業界の人は
    2.Technical Leader
    で申請するのが一般的ではあります。ただ、大学では3.Educatorも、産業界でも1.や4.があります。

    Research Engineer/Scientistの場合は、特にその人個人としての業績が評価されるのでFirst Authorの論文がどれだけあるかが重要です。
    その中でもBest Paper Awardをもらった論文があるとか、Industrial Inventionとして評価されたとか客観的評価があるとポイントとなるようです。

    Technical Leaderの場合は、必ずしもFirst Author論文ではなく、その人の業績のインパクトの強さが評価されます。
    標準化が主な業績の場合は、本人の仕事が重要なパートを占めたとかが評価が評価されるようです。

評価の重点

(1)SocietyのEvaluatorによる評価(第1段階)
EvaluatorがNomination FormとEndorsementにより行うのもです。Societyではその分野の専門家が評価することになるので、各自が専門分野でどれだけ評価されているかがポイントになります。IEEE内、特にEvaluatorにどれだけ知られているかも重要です。Societyでの活動もぜひ記述してください。
この段階では、Referenceの情報は開示されません。

(2)IEEE全体でのJudgeによる評価(第2段階)
Judgeが、Societyでの評価をベースに、Nomination Form, Endorsement, Referenceにより、個人業績(Individual Contribution, 40/100)、Societyでの支持 (25/100)、Referenceの支持 (15/100)、プロフェッショナル(IEEE and non-IEEE)としての活動 (10/100) について評価します。Societyの支持についてもJudgeが評価し直します。Referenceの選定は、候補者の業績をよく理解していて高く評価してくれる人を選ぶことが重要です。客観性も重視されるので、Referenceは国、地域に偏りがなく、上手く分散していることが望ましいと思います。

  • 締め切りの厳守

    締め切りは3月1日です。

  • ご自身で、本部のホームページをチェックするなど常に最新の情報の入手に努めていただくよう、お願い致します。