IEEE Computer Sociery
[C-16] Kansai Chapter

2020年 第1回技術講演会 新たな計算パラダイムを切り拓く量子技術及び量子計算機技術

「新たな計算パラダイムを切り拓く量子技術及び量子計算機技術」をテーマに,松尾惇士氏,及び水谷明博氏を講師にお招きしてオンライン講演会を開催しました.

日時
2020年8月28日(金) 15:00–17:00
会場
オンライン開催(WebEX)

15:00–16:00 量子計算機を活用する量子コンパイラ技術動向

概要
近年,注目を集めている量子計算だが,量子計算を実際に行うためには実行したいアルゴリズムに応じて適切な量子回路を設計する必要がある.その際,指標となるコストに応じて量子回路の最適化を行ったり,実際の量子コンピューターで実行可能な量子回路に変形する必要がある.それらのタスクを行うソフトウェアは量子コンパイラと呼ばれている.本講演では,まず量子回路と量子コンパイラについて説明し,その後,量子コンパイラで考慮されているコストにどのようなものがあるか,量子コンピューターで実行可能な量子回路への変形手法について紹介する.
講演者
松尾まつお 惇士あつし (日本アイ・ビー・エム)

略歴

2013年 立命館大学 修士(工学)取得.2015年 日本アイ・ビー・エム入社.2018年 東京基礎研究所の量子コンピューターを研究しているチームに異動し,現在に至る.※2019年より立命館大学で社会人博士課程を開始.

16:00–17:00 量子暗号の研究開発動向と実装安全性理論の研究動向

概要
量子暗号は量子力学を利用した無限の計算能力を持つ盗聴者でも解読ができない暗号である.このような情報理論的安全性を達成するためには,安全性証明理論の構築が不可欠である.本講演では,はじめに量子暗号の概要と,量子暗号ネットワークの開発動向について述べる.次に,安全性証明理論の歴史と,近年盛んに研究されている実装安全性理論と呼ばれる量子暗号装置の理想と現実のギャップを埋める理論研究について述べる.
講演者
水谷みずたに 明博あきひろ (三菱電機株式会社)

略歴

2018年に大阪大学基礎工学研究科 井元研究室で博士(理学)を取得後,三菱電機に入社.入社後は情報技術総合研究所で量子情報技術の研究と情報セキュリティの研究開発に従事.

ギャラリー