IEEE EPS Japan Chapter Young Award 表彰式の報告
ICEP2019において,ICEP-IAAC2018の際に優れた発表を行った若手技術者に対して,IEEE EPS Japan Chapter Young Award の表彰を行いました.
1.表彰対象者 2名
(1)受賞者 : Benjamin Ioller
所 属 : Keio University (Japan)
論文タイトル : FB4-5 Development of an Automatic Urine Monitoring Device using Cross-selectivity Sensing Principle
【推薦文】
尿中の尿素含有量計測システムに関しての研究発表であった。電気化学的な計測と光学的計測の2つのデータによる交差検定を行い、尿中の尿素含有量データの信頼性向上を行っている点に新規性がある。接液部がガラスセルなのでセンシング部の汚濁に関しても簡単にケアできる等の実用的な工夫もなされており、実際のトイレにマウントできる可能性が十分に示唆されており、家庭で簡単に導入できるヘルスケアのニーズに対しての工業的価値は非常に高い。論文の完成度も高く、発表も秀逸であった。評価者3名のジャッジ結果も、年齢枠の無いベストペーパとしても上位に該当する評価結果であった。これら理由により、Young Awardに十分値するものと考えられるため、推薦いたします。
(2)受賞者 : Atom Watanabe
所 属 : Georgia Institute of Technology (USA)
論文タイトル : TD4-2 Design and Demonstration of Ultra-thin 3D Glass-based 5G Modules with Low-loss Interconnections
【推薦文】
本論文は、100 μm厚のガラス基板コア材の両面に合計6層の低損失誘電体薄膜を積層することで構成した、薄型5Gモジュール内の信号線路の高周波特性について述べている。送受信ICチップとアンテナを一体化することを想定し、再配線層に形成した平面的および立体的な線路の特性を三次元電磁界解析で厳密にシミュレーションすることと、誘電体層と導体線路を高精度に製作することにより、28GHz帯において同一層内および層間マイクロビア部の伝送損失を非常に低くできることをシミュレーションと実験で示した。これはミリ波帯周波数の利用が想定される高伝送レートの5G通信システムでの応用において小形で高性能なモジュールを実現するための重要な技術であり、またプレゼンテーションと質疑応答において優秀であったため、ヤングアワードに推薦いたします。
授賞式当日の写真
2.ICEP2019の概要
- 開催日時:2019年4月17日~20日
- 開催場所:朱鷺メッセ 新潟コンベンションセンター(新潟市)
- 主催:(社)エレクトロニクス実装学会
- 共催:IEEE EPS Japan Chapter, IMAPS