IEEE EPS Japan Chapter Young Award 表彰式の報告
ICEP2018において,ICEP2017の際に優れた発表を行った若手技術者に対して,IEEE EPS Japan Chapter Young Award の表彰を行いました.
1.表彰対象者 3名
(1)受賞者 : Chuantong Chen
所 属 : Osaka University / Japan
論文タイトル : Effect of Size and Shape of Ag Particles for Mechanical Properties of Sintered Ag Joints Evaluated by Micro-compression Test
【推薦文】
本論文は、パワーデバイスのダイボンディングに用いるAgペースト由来の焼結体の機械的性質を評価したものである。粒径や形状の異なる粉末からなるAgペーストを作製し、無加圧下で焼成した焼結Agの機械的性質の評価を行うとともに、ダイアタッチ構造でのシェア強度を評価したところ、フレーク形状の粒子からなるAgペーストを用いたものでシェア強度が高くなることを見出したものであり、工業的にも有用な知見が得られた。また、論文の構成、プレゼンテーションの内容、質疑応答においても優秀であったことから、本論文をヤングアワードに推薦する。
(2)受賞者 : Takumi Kamibayashi
所 属 : Waseda University / Japan
論文タイトル : Fabrication of Self-Standing Curved Film with Pillar Arrays by Large Area Spherical Soft-UV Imprint Lithography
【推薦文】
本論文では、軟紫外線インプリントリソグラフィ技術を大面積の球面に応用し、微小3次元構造を有する自立性フィルムを形成する手法が提案され、その条件最適化と製作事例について述べられている。サポート無しで自立性を維持でき、かつ焦点深度が異なる曲面表面にリソグラフィを施すことが可能な本手法は非常に独自性が高く(評価者2人が満点の5点をつけている)、生体親和性センサなど、可撓性が必須な有機デバイス形成への応用性を有する。制作事例ではミクロンレベルのピラーが球面上に精度良く形成されており、手法の完成度の高さが示されていた。したがって、本論文をYoung Awardに推薦する。
(2)受賞者 : Makoto Katsurayama
所 属 : JSR Corporation / Japan
論文タイトル : Fine Pitch Plating Resist for High Density FO-WLP
【推薦文】
本論文では、FO-WLP超ファインピッチ・高アスペクト比を可能にするための新規な化学増幅(chemically-amplified)ポジレジスト開発について述べられている。特に、光照射後の光酸発生剤(photoacid generator, PAG)の酸性度がパターン精度に及ぼす影響について精査されている。このような検討は他に例を見ず、新規性が非常に高い(評価者2人が満点の5点をつけている)。また、試作試料の構造は実働基板に即しており、異なる試験条件に対するパターン精度評価も正確になされており、当時性や完成度が高い。したがって、本論文をYoung Awardに推薦する。
授賞式当日の写真
2.ICEP-IAAC2018の概要
- 開催日時:2018年4月17日~21日
- 開催場所:ホテルハナミズキ、三重県桑名市
- 主催:(社)エレクトロニクス実装学会
- 共催:IEEE EPS Japan Chapter, IMAPS
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