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IEEE Kansai Section 会員各位

                     IEEE MTT-S Kansai Chapter
                          Chair 石崎俊雄

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   「宇宙・海洋・地中へ拡がるマイクロ波応用」ワークショップ開催案内
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概要:
通信・計測の分野を中心として広く使用されているマイクロ波は大変
身近なものと言えますが、今回、MTT-S 関西チャプタでは、深海・地中
から宇宙までのシームレスなマイクロ波応用に注目したワークショップを
開催します。それぞれの場所における電磁波の伝搬や利用に関する特性を
知ること、新しい応用を考えることでさらに電磁波の利用分野が拡大する
と考えられます。また、これはMTT-S 関西チャプタの戦略的重点領域に
挙げた技術の1つでもあります。
そこで今回は各分野に詳しい第一人者をお招きして、身近な地上の
通信とは異なるそれぞれの特徴、魅力や期待についてご講演頂くことで、
宇宙・海洋・地中で使用されるマイクロ波と今後の進展について理解を
深めたいと思います。


●主催: IEEE MTT-S Kansai Chapter
●日時: 2016年 1月23日(土) 13:00〜17:00
●場所: 龍谷大学 大阪梅田キャンパス 
   (ヒルトンプラザウェストオフィスタワー14階)
アクセス: http://www.ryukoku.ac.jp/osaka_office/access/
●参加資格: どなたでも
●参加費:IEEE会員は無料。非会員は資料費、会場費、講師招聘費等の実
費をご負担いただくため、聴講費1000円をいただきます(学生は除く)。
●事前申し込み: 文末にある「Web登録」の案内をご覧下さい。

●プログラム (講演題目は一部仮題です)
テーマ:「宇宙・海洋・地中へ拡がるマイクロ波応用」
オーガナイザー: 島崎 仁司 (京都工芸繊維大学)

講演 1  
 ・題目:「海洋インバースダムとマイクロ波電力伝送」
 ・Title:Microwave Power Transmision Collaborated with
     Marine Inverse Dam
 ・講師:石川 容平 様(京都大学)
 ・概要:エネルギーをめぐる国際的紛争は21世紀になっても絶える
  ことが無い。エネルギーシステムは国家の最も重要なインフラで
  あるにもかかわらず、その資源は国境線とは無関係に存在する
  からである。わが国は火力発電の燃料を海外に依存しており、
  経済、安全保障の基盤は脆弱である。そのため自給率向上に向けた
  再生可能エネルギー(以下、再エネ)の利用推進が叫ばれている。
  しかし電力系統は、火力/水力/原子力に代表される安定電源を
  基本に設計されており、分散型電源の持つ不安定な品質と逆潮流の
  問題は、再エネ比率向上の政策実現を大きく阻害している。
   海洋インバースダムは気候の影響を全く受けず動作する
  揚水発電システムであり、再エネを含む全てのエネルギーを
  水力発電によって優れた品質を持つ電力に変換する。また
  わが国に限らず紛争地域を経由する電力の輸送や国際間取引には
  一般的に大きなリスクを伴う。衛星を経由した長距離マイクロ波
  電力伝送はこの種の問題解決に大きく貢献する。ここでは静止
  軌道上のマイクロ波ミラー衛星と電力のバッファリング機能を
  持つ海洋インバースダムを組み合わせたグローバルな電力系統
  への期待と可能性を述べる。

講演 2
 ・題目:「海中における電磁波伝搬とその応用」
 ・Title:Underwater Electromagnetic Wave Propagation and
     Its Applications
 ・講師:吉田 弘 様(海洋開発研究機構 JAMSTEC)
 ・概要:我が国では2007年に海洋基本法が定められて以降、海洋の様々な
  利用方法が検討され始め、新たな海洋産業の創出を支えるための技術
  開発が進んできている。海洋システムの開発において、通信・
  テレメトリ・ポジショニングが重要な技術となるが、海中では音波を
  用いる方法しか実用化がなされていない。ご存知のように、海中では
  電波や光は減衰が大きい事が常識となっているからである。海中の
  電波伝搬は20世紀後半に多くの国内外の研究者によって研究がなされ、
  有用な周波数帯での実用価値が殆ど無いと結論されているが、海中
  開発が進んだ近年では、近距離での電波や光の応用が必要となって
  きている。講演では、改めて、海中の電磁波伝搬特性を考察し、
  長波から短波帯の電波の海中応用例を紹介する。合わせて光の
  深海利用についても紹介したい。

講演 3
 ・題目:
  「地中レーダ:遺跡調査、地雷検知からインフラモニタリングまで」
 ・Title:Ground Penetrating Radar : Archaeological Survey to
          Monitoring of Infrastructure
 ・講師:佐藤 源之 様(東北大学 東北アジア研究センター)
 ・概要:地中レーダ(GPR)技術は埋設管検知などで1990年代から実用化が
  始まったが、信号処理や表示機能の向上により近年その実用性が格段に
  高まっている。我が国ではコンクリート内部の鉄筋の検知や、舗装
  道路の保全調査などで標準化も進んでいる。本講演ではGPR技術の
  概要に加え、遺跡調査、地雷検知、インフラモニタリングへの利用
  など最新の動向も紹介する。

講演 4
 ・題目:「媒質中ワイヤレス給電は未知に満ちている
      ー誘電率の実部・虚部、導電率の果たす役割ー」
 ・Title:Wireless Power Transfer in Materials are Full of Unknowns
    -Real and Imaginary Part of Permittivity as well as
     Conductivity Play Importand Roles of Their Own-
 ・講師:粟井 郁雄 様(株式会社リューテック)
 ・概要:自由空間ワイヤレス給電に比べて媒質中のそれはあまり関心を
  持たれていないが、隔壁、海中、人体中給電など重要な応用がある。
  本講演はそれらに焦点をあて主として媒質定数の視点から電力伝送に
  ついて論じる。
   講演は2つの部分からなり、最初は媒質の非一様性に基づくガイド
  効果に関して原理から応用まで解説する。導波路という概念は周知で
  あるが導波される電磁界はいわゆる伝搬界である。それに対してここ
  では非伝搬界のガイドでありこの界は波を形成しないのであえて名付ける
  ならば導場路である。この概念は我々によって初めて提案されたもの
  であり、物が先にできたが理論はまだ未完成である。もしご紹介する
  応用が面白いと感じられたらぜひ理論化を試みていただきたいと思う。
   後者は媒質中エネルギー伝送特に誘電体媒質を固体と液体に分けて
  その損失低減法について述べる。損失の原因は誘電損失と導体損失である
  から、どちらも電界の存在が原因である。從っていかに電界エネルギーを
  閉じ込めて磁界エネルギーを中心に伝送するかという問題に集約される。
  固体中伝送の低損失化は簡単であったが、液体特に海水などの電解質
  溶液は困難である。現在まだ道半ばであるが解決の道筋は少し見えて
  きたことをご紹介したい。


なお、最新の情報は下記のサイトにてご確認ください。
  http://www.ieee-jp.org/section/kansai/chapter/mtts/

*******参加登録のお願い*******
会場・配布資料の準備のため、なるべく正確な参加人数を見積もりたく存じます。
当日参加も可能ですが、事前申し込みに是非ご協力ください。
申込締切:2016年1月19日(火)までにお申し込みいただけると幸いです。

■Web登録  IEEE MTT-S Kansai Chapterのホームページ
  http://www.ieee-jp.org/section/kansai/chapter/mtts/
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