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IEEE Kansai Section 会員各位

IEEE MTT-S Kansai Chapter
Chair 石崎俊雄

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   電波領域へのプラズモニクスワークショップ 開催案内
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概要: 電波領域におけるプラズモニクスは、近年のメタマテリアル研究の発展や
    ナノテクノロジー・微細加工技術の進展と相まって、ホットなトピックス
    として注目されています。ナノスケールの金属粒子に光が当り、金属表面
    にて自由電子が振動しプラズマ状態となっている状態をプラズモンと呼び
    ます。
    このプラズモンと共鳴する波長の光が強く吸収されるプラズモン共鳴など
    を利用して、波長フィルタや光アンテナ、表面分析などに応用するのが
    プラズモニクスです。
    電波領域でも金属表面の微細加工により擬似表面プラズモンが励振できる
    ことが見出されており、これを利用したテラヘルツ波の発生など様々な
    応用が検討されています。本ワークショップでは、光領域のプラズモニクス
    からテラヘルツ帯〜マイクロ波帯を含めた電波領域へのプラズモニクスの
    拡張に関する最新の研究開発動向について、理論的・解析的な内容やアン
    テナへの応用を中心にご講演頂き、幅広く議論します。

●主催: IEEE MTT-S Kansai Chapter 
●日時: 2014年8月23日(土)  13:00〜17:10
●場所: 大阪大学豊中キャンパス 基礎工学研究科J棟セミナー室
     アクセス http://www.osaka-u.ac.jp/ja/access/toyonaka/toyonaka.html
●参加資格:どなたでも
●参加費: IEEE会員は無料。非会員は資料費、会場費、講師招聘費等の実費を
      ご負担いただくため、聴講費1000円をいただきます(学生は除く)。
●事前申し込み: 文末にある「Web登録」の案内をご覧下さい。

●プログラム
テーマ:「電波領域へのプラズモニクスの拡張」
オーガナイザー: 塩見 英久 (大阪大学)

講演1
タイトル:「プラズモニックアレイを利用した蛍光材料の発光制御」
・講師:村井 俊介様(京都大学)
・概要:可視光領域の電磁波に対して、金属ナノ粒子は誘電体ナノ粒子に比べはるかに
    強く相互作用します。特に局在表面プラズモン共鳴波長において散乱断面積・
    吸収断面積が極大を迎えます。金属ナノ粒子を、光と強く相互作用する
    「ナノアンテナ」として捉え、ナノアンテナと光機能性材料を組み合わせる
    ことで、 光機能材料の特性を変調・増強することができます。
    本講演では、とくに発光材料と金属ナノ粒子の組み合わせに着目し、金属ナノ
    粒子のランダムおよび周期アレイによる発光強度増強と発光方向制御について
    お話します。

講演2
タイトル:「テラヘルツ帯擬似表面プラズモンのシミュレーションの概要と実際」
・講師:藤田 和広様(富士通株式会社)
・概要:擬似表面プラズモン(擬似SP)は、微細構造が付加された金属表面に存在する
    電磁界の表面波モードの一種であり、金属がほぼ完全導体とみなせるテラヘルツ
    (THz)帯やマイクロ波帯などの低周波領域においても励振できることから近年
    注目されている。一方、擬似SPを解析する手法は、表面微細構造の周期性や
    対称性を仮定した条件下でモード展開を行う「解析的手法」と、任意の形状を
    扱うことができるフルウェーブの「数値シミュレーション手法」(FDTD法、
    モーメント法など)に大別される。我々は擬似SPのための数値シミュレーション
    技術に関する研究を行っており、本講演では、完全導体の表面微細構造における
    擬似表面プラズモンの基本概念を概説した後、テラヘルツ帯の代表的な構造・
    デバイスに対する計算結果を示し、数値シミュレーションのための注意点などを
    紹介する。また、最近その存在が理論的に示された「擬似局在表面プラズモン」
    (擬似LSP)も取り上げ、数値シミュレーションに関する最新の研究成果について
    も報告する。

講演3
タイトル:「表面波共鳴を用いたテラヘルツ波の発生・制御」
・講師:四方 潤一様(日本大学)
・概要:近年,レーザ・フォトニクスや電子デバイスの進展に伴って,光波とマイクロ波
    の中間の周波数帯にあるテラヘルツ波の技術開拓が進んでいる.テラヘ ルツ波は
    生体や有機物質・半導体等に対して特異な透過性を有し,分子・格子振動,電子
    の集団励起運動等の周波数域にあることから,生体計測,デバイス・材料評価,
    情報通信等への応用展開が期待されており,最近はメタマテリアル等の分野でも
    注目されている.
    我々は,非線形光学効果を用いて単色で周波数可変なテラヘルツ波発生・応用の
    研究を行ってきており,本講演ではテラヘルツ波の表面波制御を中心に報告する.
    まず,擬似表面プラズモン共鳴を用いたテラヘルツ 波ビーム制御デバイスの実験・
    解析結果について述べる.このデバイスは金属表面の回折格子を用いてテラヘルツ
    波を結合・共振させることにより,回折限界を超える極微細のテラヘルツ波ビーム
    を実現する.透過スペクトルや特異なビーム伝搬特性,および共振特性等の基礎特性
    のほか,構造パラメータの最適化設計についても議論する.
    さらに,光波とテラヘルツ波の相互周波数変換に関連した表面フォノンを用いたテラ
    ヘルツ波の発生についても述べる.非線形光学効果を用 いたテラヘルツ波発生法は
    広帯域なテラヘルツ波発生に有力な手段であるが,媒質中のフォノン周波数付近では
    吸収損失が大きく,利用できる周波数領域が間欠的になってしまう.その解決法とし
    て,負誘電率領域に発生する表面フォノンの共鳴効果を利用したテラヘルツ波発生法
    の可能性を検討し,テラヘルツ波発生に実績のあるニオブ酸リチウム結晶について,
    表面テラヘルツ波放射の基礎特性を議論する.

講演4 
タイトル:「マイクロ波領域における表面プラズモンとその応用について」
・講師:有馬 卓司様(東京農工大学)
・概要:本講演では、マイクロ波領域における表面プラズモンの発生方法、およびその現象を
    応用したデバイスについて述べます。我々は表面プラズモンを、マイクロ波領域で
    活用できないか、検討してきました。その成果について実験結果を交えながら紹介
    します。講演では、表面プラズモンを生成するために必要な、マイクロ波領域において
    負の誘電率を示す構造、実際に表面プラズモンを励振する方法、マイクロ波領域に
    おける表面プラズモンを応用したデバイス、について講演します。

なお、最新の情報は下記のサイトにてご確認ください。
    http://www.ieee-jp.org/section/kansai/chapter/mtts/

*******参加登録のお願い*******
会場・配布資料の準備のため、なるべく正確な参加人数を見積もりたく存じます。
当日参加も可能ですが、事前申し込みに是非ご協力ください。
申込締切:8月18日(月)までにお申し込みいただけると幸いです。

■Web登録  IEEE MTT-S Kansai Chapterのホームページ
   http://www.ieee-jp.org/section/kansai/chapter/mtts/
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