IEEE Kansai Section 会員各位
IEEE MTT-S 会員各位
                      IEEE MTT-S Kansai Chapter
                          Chair 真田 篤志

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  「量子技術とマイクロ波」ワークショップ 開催案内  
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概要:
量子コンピュータや量子センシングと言った量子状態の精密制御により可能に
なる「量子技術」に大きな注目が集まっている。量子状態はそのエネルギーに
相当する周波数の電磁波により制御が可能である。ダイヤモンドNVセンターや
半導体量子ドットの電子スピンや超伝導量子コンピュータの基本素子などの制
御はマイクロ波で行われている。本ワークショップでは量子技術においてどの
ようにマイクロ波が用いられているかを紹介し、今後量子技術とマイクロ波技
術がどのように相互発展していくのかについて議論する。

●主催: IEEE MTT-S Kansai Chapter
●日時: 2020年10月24日(土) 13:00〜17:00
●場所: オンライン開催 (Zoom ウェビナーを利用する予定)
●参加資格: どなたでも参加できます。
●参加費: 無料です。
●事前申し込み: 文末にある「聴講について」の案内をご覧下さい。
●プログラム
テーマ:量子技術とマイクロ波
オーガナイザー:真田 篤志 (大阪大学)

第一部 招待講演
講演1
・タイトル:量子技術とマイクロ波
・Title: Quantum technology and microwave
・講師: 根来 誠 様(大阪大学先導的学際研究機構)
・概要: 本講演は本ワークショップの趣旨を述べるものである。量子技術全体
の近年の発展について簡単に紹介し、マイクロ波技術がどのように関係している
かを説明する。 また、これまで行ってきた分子中の電子スピンのマイクロ波に
よる精密制御やそれによって可能になる超高感度MRIの応用についても述べる。

講演2
・タイトル: 固体量子センサーとマイクロ波
・Title:Solid-state quantum sensor and microwave
・講師: 増山 雄太 様(量子科学技術研究開発機構)
・概要:本講演では、ワイドバンドギャップ半導体を用いた固体量子センサーお
よび本センサーにおけるマイクロ波の使い方を紹介する。
量子センサーは、磁場や温度などの環境の変化による量子ビットのエネルギー変
化を利用して計測を行うセンサーである。適切な測定系を構築することにより、
測定の際のノイズを量子的な限界まで小さくした高感度なセンシングが可能であ
る。ダイヤモンドやシリコンカーバイドなどのワイドバンドギャップ半導体中の
欠陥を量子ビットとして用いることにより、室温大気圧下を含む幅広い温度・圧
力下において、量子性を維持することが可能である。この特性を利用して、生体
内や極限環境で動作するセンサーなどの様々な応用が研究されている。量子ビット
を操作するためにマイクロ波を使用しており、マイクロ波パルスの当て方により、
計測できる物理量や周波数帯域を制御することが可能である。

講演3
・タイトル: 超伝導量子コンピュータとマイクロ波技術
・Title: Superconducting quantum computer and microwave technology
・講師: 田渕 豊 様(東京大学先端科学技術研究センター)
・概要:超伝導量子コンピュータの開発が加速している。超伝導量子コンピュータ
の開発を後押ししてきた原動力は、間違いなく優れたマイクロ波技術である。現在
主流の超伝導量子ビットは超伝導電極からなるキャパシタと、トンネル接合を用い
た非線形のインダクタから構成される非線形LC共振器と考えられる。その動作周波
数は通信分野・レーダー分野により技術が確立されたCからXバンドに設計され、優
れたマイクロ波パルスの変復調技術により超伝導量子ビットとのやりとりが行われ
る。その集大成として昨年Google社が示した量子超越性は記憶に新しい。超伝導量
子コンピュータ開発が既存のマイクロ波技術に支持されてきた一方で、そのマイク
ロ波技術が今後の技術展開、例えば集積化などの足かせとなっている部分も否めな
い。本講演ではそのマイクロ波技術と超伝導量子ビットとの古くからの関係を紹介
し、今後のマイクロ波技術と超伝導量子コンピュータの未来について議論する。

講演4
・タイトル: 半導体スピン量子コンピュータとマイクロ波
・Title: Semiconductor spin-based quantum computer and microwave
・講師: 中島 峻 様(理化学研究所創発物性科学研究センター)
・概要:半導体スピン量子コンピュータでは、リソグラフィープロセスによって形
成される量子ドット構造に閉じ込められた少数電子のスピンを利用する。電子スピ
ン状態の制御には電子スピン共鳴の技術が応用でき、3GHzから40GHz程度のマイクロ
波バースト信号が用いられる。特にこのデバイスを1K程度の高温で動作させるため
には、マイクロ波周波数が高い方が望ましい。一方で電子スピン状態の読み出しや
量子もつれ制御のためには、DCから1GHzまでの広帯域で精密な電圧操作が求められ
る。量子コンピュータとしての性能を引き出すためには、これらのマイクロ波信号
制御と固体素子では避けられない1/f雑音や核スピン雑音といった低周波雑音への
対策を両立することが肝要である。これらについて、最新の事例を交えて紹介する。

第二部 パネルディスカッション 
コーディネーター:真田 篤志  (大阪大学大学院基礎工学研究科)
パネリスト
根来 誠 様  (大阪大学先導的学際研究機構)
増山 雄太 様 (量子科学技術研究機構)
田渕 豊 様  (東京大学先端科学技術研究センター)
中島 峻 様  (理化学研究所創発物性科学研究センター)

なお、最新の情報は下記のサイトにてご確認ください。
  http://www.ieee-jp.org/section/kansai/chapter/mtts/
  https://ieee-jp.org/section/kansai/chapter/pho/

*******聴講について*******
ご聴講(2020年10月24日(土)13:00〜17:00)を希望される場合は、下記のリンクからご登録、ご聴講願います。
https://us02web.zoom.us/webinar/register/WN_sOI2fh9ZRzm2krIgSnYYSA
なお、ウェビナーのリンクは下記URLにも掲載しています。
■ IEEE MTT-S Kansai Chapterのホームページ
  http://www.ieee-jp.org/section/kansai/chapter/mtts/