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Women in Engineering東南アジア交流講演会ならびに交流会

Dr. Guevara gave a speech Party after the lecture
講演会は、東京理科大学神楽坂キャンパスの講義室にて開催され、フィリピン大 学(University of the Philippines Diliman)工学部長の Rowena Cristina L. Guevara先生に、これまでの研究活動と、フィリピンにおける女性研究者の活 躍について話題提供頂いた。

講演題目: :Women Engineers as Academic Leaders

Guevara先生は、フィリピン大学工学部電気工学科を卒業し、1990年よりフィリ ピン大学で、デジタル信号処理の研究室を主宰している。1997年にミシガン州立 大学で博士号を取得し、1998年に東京工業大学、2002年にカリフォルニア大学バー クレイ校で在外研究を行った。
講演ではまず、フィリピン大学における女子学生、女性教員の割合に関する統計 データが示された。国際的に見てその割合は極めて高く、生産工学や化学工学、 材料工学では、女子学生の方が男子学生よりも多い。一方、女子学生が少ない機 械工学科でも約20%の割合を占める。Guevara先生が学生であった頃、女子学生 は一学年に数名であったので、約20年間で劇的に女子学生の比率が向上したこと になる。女性教員が増加したことで、女子学生が劇的に増えたという。
次に、子供の頃から順に生い立ちについて述べられた。子供の頃から音楽が好き で、特にピアノはプロを目指すほどの腕前であったそうである。その才能は、そ の後研究者として活動する中で、校舎を完成させる資金を集めるチャリティーコ ンサートを開催するといった形で役に立っているという。研究については、時代 の流れを読んで適切なテーマを選択することが重要と指摘された。もともとの専 門は、電力工学であったが、博士課程で留学して博士号を取得する際に、テーマ を信号処理にして、その後の研究室のテーマとしたという。好きな音楽にも関連 するテーマであるため、とても楽しいとのことである。
 最後に、リーダーシップについて経験を通じたいくつかの知見を述べられた。 工学部長になってからは、資金不足のために未完成であった校舎を完成させたり、 カリフォルニア大学バークレイ校と提携して、フィリピンで遠隔講義を受けられ るようにしたり、次々と改革を行っている。企業からの研究費もたくさん導入し て、最新の設備を揃え、学生は実践的なスキルを身につけることができるシステ ムを構築した。
企画力と行動力で多くの問題を解決していくバイタリティに、参加者は勇気付け られた。発表後の質疑応答は次の通り。

質疑応答:

  1. : 他の国に比べて、フィリピンにおける女子学生と女性教員比率が著しく上 昇したのはなぜだと考えられるか?
  1. :
    1. 性別に関係なく選考していることが挙げられる。また、入学試験だけで なく、普段の学校の成績も選考の際考慮している。女子学生は、普段の 学校の成績がよいことが多いので、この選考方法が女子学生へ有利に働 いている。
    2. アファーマティブアクション(積極的な差別の是正)などは 行われていない。
    3. もともと母系社会であるため、母親は一家のリーダー であり、意志決定者という考え方が根底にあるかもしれない。
    4. また、数学は女性に向かないといった否定的な思い込みも特に普及していない。
  1. : 企業からの寄付などには、相応のメリットが必要であると思われるが、ど のように寄付金を集めたのか?
  1. : 学生が大学でよい教育を受けることができれば、企業にとって即戦力とな る。交渉では、論理的であることが重要だ。
  1. : 日本ではM字曲線といって、結婚したり子供が生まれたりすると、仕事を やめて家庭に専念する傾向がある。フィリピンではそのようなことはある のか?
  1. : フィリピンでは、家事と育児に対して男女とも同一の責任を持つ。女性の みが仕事と家庭の選択を迫られるということはない。家族の一員として信 頼できるお手伝いさんがいて、家事も育児も分担してもらえる。
Guevara先生の教え子で東京工業大学に留学している学生や、その友人のマレー シアからの留学生、カナダ出身で東京大学の博士研究員、インド出身で会津大学 の教員など、世界中から参加者があった。講演会終了後は交流会を行い、盛会の うちに終了した。

詳しい情報は、発表スライドをご覧下さい。

(報告 大武美保子)